
亡くなった後に、誰に何を残すかを決めておく書面です。
森家の場合だと?

遺言で母さんにアパートを遺すんじゃだめなの?

それだと、お母様ご自身がアパートを管理しなければなりません。お母様が認知症になると、例えば、入居者との契約や修繕の手配ができなくなりますし、預金もおろせなくなることがあります。
遺言の主な種類
自筆証書遺言
自分で書く遺言です。費用はほとんどかかりません。
自分で書いた遺言は、法務局に預けられます
法務局に預けておける制度(自筆証書遺言書保管制度)を使えば、紛失や書き換えの心配がなく、亡くなった後の家庭裁判所での手続(検認)もいりません。亡くなった後、指定した人に、遺言が預けられていることを法務局から知らせてもらうこともできます。
ただし、法務局は内容までは確認しません。内容に不安があれば、専門家に文案を確認してもらったうえで預けるのがおすすめです。
公正証書遺言
公証役場という公的な役所で、本人が伝えた内容を、公証人という法律の専門家に書面にしてもらう遺言です。手数料はかかりますが、形式の不備で無効になる心配がほぼなく、原本も公証役場で保管されます。
遺言でできること
- 財産を誰にどう分けるか決める
- 相続人以外の人や団体に財産を残す
遺言でできないこと
- 生きている間の財産管理
遺言が効力を持つのは、亡くなった後です。認知症になって預金がおろせない、自宅が売れないといった問題には、対応できません。 - 2代先の行き先
「子どものいない息子に残し、息子が亡くなった後は、息子の兄弟に」という決め方は、遺言では確実にはできません。遺言で決められるのは、自分が亡くなったときに誰に渡すかまでです。息子が亡くなった後、その財産は息子の相続人(息子の妻など)に引き継がれます。
遺言と信託のちがい
| 遺言 | 信託 | |
|---|---|---|
| 効力を持つとき | 亡くなった後 | 契約したときから |
| 認知症への備え | できない | できる |
| 2代先の行き先 | 確実にはできない | 決めておける |
| 費用 | 比較的安い | 設計・登記費用など |
遺言が向いている方
- 亡くなった後の分け方だけを決めておきたい
- 財産の管理を誰かに任せる必要はまだない
遺言はいつでも書き直せます。まず遺言を作り、必要に応じて信託や任意後見を組み合わせる、という方法もあります。

